2009年12月27日日曜日

クリスマスカンカン / 盗まれた手紙

podcast
VOA Special Englishより

Making Merry With This Year's Holiday Music
(American Mosaic)

今年のクリスマス音楽の新作アルバムの紹介。VOAで音楽が入っているのは楽しい。

何曲か紹介されていたけど特に気に入ったのは「The Christmas Can-Can」(Straight No Chaser)、アルバム名は「Christmas Cheers」でアカペラのグループ。運動会なんかでよく聞いたあの曲(『カステラ一番電話は二番…』でおなじみの)がベースになってて何かすごく面白い。iTunes Storeで売ってたからつい買っちゃったよ、150円。

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Short Story: 'The Purloined Letter' by Edgar Allan Poe
(American Stories)

青空文庫にも翻訳作品がある。
盗まれた手紙(エドガー・アラン・ポー / 佐々木直次郎 訳)
こちらは翻訳なので途中の説明がこむずかしくて挫けそうだけど、VOAの方は簡単に書き直されているので(バッサリそぎ落とされすぎな気もするけど)わかりやすいし、とても聴き取りやすい英語だった。

オーギュスト・デュパンの探偵もの。内容はシンプルだけど推理小説はポーが最初の作家(デュパンの1作目「モルグ街の殺人」)らしいので価値あり。

2009年12月26日土曜日

半七捕物帳 16〜18

青空文庫より
半七捕物帳(岡本綺堂)

16 津の国屋
他の作品より長く倍くらいあり、内容も応じて凝ったものになっている。怨念の恐れ、とのかねあいもバランスが良くてスムーズな運びになっていてとても面白かった。

17 三河万歳
事件の始めのシーンが謎的にも絵的にも非常に印象的、つかみがいいってやつ。万歳(まんざい)とか才蔵とか鬼っ児(鬼っ子)等々知らない言葉がいくつかあってこれはYahoo辞書のお世話になった。この作品に限らないけど今とは違う時代の様子がよく描かれていてとても興味深くて面白い。猫と子供のエピソードがちょっとあわれな感じがした。

18 槍突き
通り魔殺人を扱っているが単純な状況でなく不思議な出来事がちゃんと起きている。何故か半七が手がけた事件ではなく七兵衛という岡っ引きが探偵役になっている。犯人逮捕に至るまでの七兵衛の行動も謎掛け的。

2009年12月25日金曜日

COLD / クリスマスのお店

podcast
VOA Special Englishより

Want to Stay Warm in Winter? Think COLD
(Health Report)

寒さから体を守ることについて。単語が難しかったけど、自分が寒いの嫌いだし足のしもやけに毎年悩まされてたりするから。

4つの基本は「COLD」だと。
C→cover
O→overexertion(過度の努力)
 汗びっしょりになることは衣服を濡らすのでよくないと
L→layers
D→dry

hypothermia:低体温
frostbite:凍傷
deeper tissue : 深部組織
infection:感染
gangrene:壊疽
water resistant : 耐水

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Where Every Day Is Christmas
(Economics Report)

この時期クリスマス関連の品々を並べるお店なんて珍しくないんだけど、なんと「1年中」クリスマスなお店がそうです。それは、
Bronner's CHRISTmas Wonderland in Frankenmuth, Michigan

2009年12月24日木曜日

フープハウス / エレノア・クリシー

podcast
VOA Special Englishより

How a Hoop House Can Extend the Growing Season
(Agriculture Report)

hoop houseとは加温設備のないビニールハウスのことらしい。ページの写真のだとかなり本格的な大きなもののようだけど、hoop houseで画像検索すると普通に家庭園芸で使われるくらいのものが出てくる。

ページ右脇の「Related Stories」にユーチューブの動画で「Building a Hoop House」part1とpart2にリンクされてる。見るとなかなか興味深い、しゃべってる英語は全然わかんなかったけどね。この動画のだと趣味にしては大がかりすぎるし、かといって農業向けには華奢な気がする。強風とか温度の上がりすぎにはどうするんだろうとか。それにしても帽子もかぶらず半袖で素手で作業するのか?話してる人もずっと日向に顔向けてるし、なんてことも気になったりして。

この「Related Stories」のとこに「Reports on YouTube」ってリンクがあって、「VOA Learning English」チャンネルってとこを知った。英文スクロールを見ながら聴ける。話し方もゆっくりでついていける。種類が下の内容のだけなので興味ある記事に会えるといいんだけど。
Agriculture Report
Development Report
Economics Report
Education Report
General Interest
Health Report

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Eleanor Creesy: She Guided One of the Fastest Sailing Ships
(Explorations)

1800年代半ばの、当時有名な女性航海士のことについて。エンジンのない木造の帆船の時代で、しかもニューヨークとサンフランシスコ間は南米南端を回っていかなければならず200日かかりその上大変な危険が伴う。夫ジョサイアが船長を務めるフライングクラウド号はエレノアの見事なナビゲートによって危険を回避し、さらに89日で航海するという100年以上破られなかった最速記録を達成した。

sextant:六分儀
dead reckoning : 推測航法
dead reckoning position : 推測位置

無実はさいなむ

無実はさいなむ
(アガサ・クリスティー/小笠原豊樹 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Ordeal by Innocence

2年前にすべて終わったはずだった事件が一人の男の来訪によって覆され、疑心暗鬼に苦しめられる家族の姿が描かれる。ひとつ屋根の下の家族の表面と内側、一人一人の暗い心の内、周囲の関係者から見た家族の問題点、など多彩な角度からこの家族をとらえて人間の描写力が冴える。犯人はなかなか絞れない。夢中になって読めた。

ただ、終わり方があっけないと思った。読みながらもうあとこれだけしか残ってないのに終われるのかな、なんて心配したりした。解決後のエピローグをもっと増やして丁寧に人々を追ってほしかったな。特に一人のキャラクターについてだけど。もっとこの人に反省か悲しみか苦しみかもしくは慰めとか幸せとか与えるなどして、何かその人についてもうちょっとこの後の面倒見をしてほしかった。

2009年12月23日水曜日

検察側の証人


検察側の証人
(アガサ・クリスティー/加藤恭平 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Witness for the prosecution

すごーい!!何これ。びっくりした。ボーゼンとした。

法廷劇の戯曲で、金持ちの中年女性が殺害され、哀れな容疑者となったレナード青年をめぐる裁判が行われる。

この本通販で買って、タイトルは聞いたことあるかなー、くらいの気持ちで選んだんだけど、届いた本は他のクリスティ作品より薄くておまけに戯曲で手にした時はちょっとガッカリ感があったんだけどね。単純に戯曲はあまり読んでないから苦手っぽく思ってたから。でも全然違ってとても読みやすい。モノローグがないので人の気持ちの謎がすべて話し言葉にかかっている。舞台の張りつめた雰囲気が伝わってくるようだった。

それと聞いたような題名ではあったけど初めて読んだんで、例えばこれをベースにしたドラマとか映画みたいなものでヘンに予備知識を入れられちゃったりしなかったのはとてもラッキーだった。

2009年12月22日火曜日

アーヴィング・バーリン / サンタクロース / 世界に光を


podcast
VOA Special Englishより

Irving Berlin, 1888-1989: He Wrote the Songs that Made America Sing
(People in America)
有名な曲「ホワイト・クリスマス」を作った人。生涯に千曲以上の歌を作ったけど音楽教育は受けたことがなくて楽譜の読み書きもできないのだとか。すごい人だな。

podcastでは以下の曲が紹介されてた。
・White Christmas
・Easter Parade
・God Bless America
・Oh, How I Hate to Get Up in the Morning
・Puttin' on the Ritz
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Words and Their Stories: Santa Claus
(Words and Their Stories)
サンタクロースの語源とか別名とか。
Saint Nicholas, St. Nick, Kris Kringle, Pelznickel
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Bringing Light to Homes in Poor Countries
(Development Report)
電気がない地域の灯りは暗い。灯油ランプの燃料は高価で危険。仕事でネパールに行きヒマラヤを旅行した(かな?)カナダ人の教授(David Irvine-Halliday)が、こういった地域の人々をなんとかしたいと思い、日本の白色LEDによって貧しい国に低コストで明るい光を届ける活動をしている(Light Up the World Foundation)。

(本文から引用)
In two thousand, after much research and many experiments, he returned to Nepal to put the systems into homes. His Light Up the World Foundation has now equipped the homes of twenty-five thousand people in fifty-one countries.

http://www.g-forse.com/top/news57.htmlに詳しく載っていた。

2009年12月21日月曜日

忘られぬ死


忘られぬ死
(アガサ・クリスティー/中村能三 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Sparkling Cyanide

美しいローズマリーの突然の自殺、その場に居合わせた6人。夫、妹、夫の秘書、友人。事件から1年経ってもローズマリーの記憶は6人の心に幽霊のようにつきまとう。そして「本当に自殺だったのか?」という疑惑が新たな波紋を引き起こす。

スタートから既にいないローズマリーを中心に、それぞれの人のローズマリーに対する様々な感情とかお互いの人間関係とかが詳細に語られドラマ的にも素晴らしい。そしてそこまで皆の心の内をさらしながら事件の真実は容易は掴めない。1年前の出来事もそうだし、進行中のことも、次に起こることも。かなり好きなタイプの作品。真相の意外性もすごい。

ルシーラ伯母さんの数ページにもわたるおしゃべりはおかしかった。長いおしゃべりの隙間隙間に聞き手がただひとこと相づちを入れるというやり取りで、全体的に暗めのトーンのこの作品の中ではちょっと笑える面白いシーンだった。

2009年12月20日日曜日

A Brooklyn Christmas


A Brooklyn Christmas
(Betty Smith)
VOA Special English より

12月15日リリースの
VOA - 15 Minute Features のポッドキャストで、
「 A Story for the Christmas holiday 」 となっていてVOAのページには文が載せられていない。ニューヨークのブルックリンで、10歳くらいのフランシーとその弟ニーリーがクリスマスツリーを貰うキツい挑戦をするような話。

終わりの方がよくわからなくて、それにそもそもツリーを投げるだのキャッチするだのの状況がイマイチわからない。

探したらこのpodcastの全文が載せられてるページがあった。ただ中国のサイトみたいで、VOAのページではないようなのでリンクを貼るのはまずいかな?。でも助かっちゃった(ちゃっかり)。いい感じのお話。ツリーのイベントは読んでもやっぱり映像的には?なんだけど。

「A Tree Grows in Brooklyn」(Betty Smith)という本の作中に出てくる小話らしい。本は映画にもなっていて邦題は「ブルックリン横町」(1945)。あらすじを見たけど食指が動かない、かな。

2009年12月19日土曜日

新・平家物語 4巻


新・平家物語(四)
(吉川英治)
講談社 吉川英治歴史時代文庫50

皇室は後白河上皇の子である二条天皇が23歳で死に次代はわずか2歳の六条天皇、皇太子となったのは6歳の憲仁(後白河の子、清盛の妻の甥)、その後すぐに六条天皇は退位させられ5歳で上皇、天皇は9歳(高倉天皇)。高倉天皇の妻は清盛の娘徳子。と実権は後白河法皇が握っている。皇室と平家の繋がりは強くなっているが両者の関係は非常に微妙、後白河が巧みに清盛を牽制している。清盛の夢である貿易港の建設はなかなか国営事業とさせてもらえず清盛は私財をかけて始めるものの難航を極める。一方で鞍馬の遮那王(義経)の脱出作戦がいよいよ幕を開ける。

後半は義経編。まだ表舞台にはでてこないほとんど逃亡生活。しかし野生児でかつ気位が高い性格で、今のところ好きにはなれないけど印象はとても強い。

2009年12月18日金曜日

ガラパゴス / ツタンカーメン / ルイス・カーン


podcast
VOA Special Englishより

Visiting the Galapagos and the Unusual Creatures That Live There
(Explorations)
ガラパゴス諸島について。聴くだけでもかなりわかり易かった。その種としてただ一頭の生き残りの亀のことが印象的、名前が「ロンサム・ジョージ」って言うんだって。

In Egypt, King Tut's Tomb Getting a Makeover
(Science in the News)
タット(Tut)はツタンカーメンのこと。ツタンカーメンの墓や死因についてなど。podcast聴いただけでは難しくてよくわからなかったよ。『atherosclerosis』は『アテローム性動脈硬化(症)、粥状動脈硬化(症)』(英辞郎の訳)。

Louis Kahn, 1901-1974: He Helped Define Modern Architecture
(People in America)
ルイス・カーンという人の事。有名な建築家らしい。「Dhaka government center」の写真がなんかスゴい。

2009年12月16日水曜日

平清盛は草食系だとか


NHKテレビ番組 歴史秘話ヒストリア「私たち、草食系武士です。〜新・平家家族物語〜」を見た。

草食系なんて言葉のノリでやってほしくはなかったけど、なかなかなさすがなNHK的作りで、見といてよかった。

平清盛が後世には悪人のように伝えられているが実際はどうだったとかは説得力のある流れになっていた。とはいえ私自身はべつにどっちでもいいかな、史実を組み合わせて物語的によければ、なんてね。

番組で手塚治虫さんの漫画火の鳥に出てきた清盛もいかにもな悪人顔みたいなことを言ってたけど、んーしかし確かに登場時の顔はそうなんだけど悪い人には描かれてはいなかったと思うけど。あの漫画で却って親近感を持ってたのよね。

それはともかく、映像でいろんなものを見れたのが嬉しかった。舞いや琵琶が実際にはどんなものか、地図や図解で場所的な事や貴族階級的にどのくらいエラいのかとか、服装とか室内とか。特によかったのは三十三間堂や厳島神社の空からの映像。圧巻だったなあ。厳島神社の社殿ってかなり大きいのね。修学旅行で宮島へ行った時は船の時間の関係上ほとんど駆け足だった。単に行っただけみたいなものだったから。

2009年12月15日火曜日

死が最後にやってくる


死が最後にやってくる
(アガサ・クリスティー/加島祥造 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Death Comes as the End

異色の紀元前2千年のエジプトが舞台、でありながら全く違和感のないいつものクリスティー作品だった。家長の専横に不満を抱いている家族、ある出来事をきっかけに人々の間に憎しみが広がりそれが殺人に発展する。

読みやすくてとても面白かった。舞台設定のためもあるだろうが記憶に残る作品になりそう。登場人物たちの名前は耳慣れないけど、でもイギリスステージと違って単一で呼び名が変わらないので却っていつもより混乱がなく読み心地よかったといえる。

翻訳でかちょっと、キャラの話し言葉に違和感があった。丁寧かと思えば相手の事を「あんた」なんて呼ぶとか他にも妙な所で口汚さも感じて、場のイメージをつかみにくく感じた。

深堀骨という人の解説が爆笑もので「そうかもー」って思ってしまう。

アメリカのエンペラー?


The Man Who Declared Himself Emperor of the US
VOA Special English - This is America より

アメリカの皇帝ってありえない。ところが1860年頃にノートン皇帝というお方がサンフランシスコに実在したらしい。自分の事を「Norton the First, Emperor of the United States and Protector of Mexico」と宣言し、皇帝然とした態度でしかも活動的。精神がまともじゃないらしいこのお方はサンフランシスコの人々に愛されていた様子。実に面白くて興味深い記事だった。キャラ的にもオイシイ、人々も暖かくてユーモアがある。

Wikipediaにも載ってた。
Wikipedia - ジョシュア・ノートン
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Words and Their Stories: The Cold, Hard Reality
cold-blooded、to get cold feet、cold shoulder、cold fish、cold-hearted、out in the cold

2009年12月14日月曜日

新・平家物語 3巻


新・平家物語(三)
(吉川英治)
講談社 吉川英治歴史時代文庫49

平治の乱が終わり平家の時代の到来が描かれる。頼朝や牛若の処遇とか、天皇と上皇という二つの命令系統とか、女性問題など、常に危うげな火種を抱えている。

様々な人々のドラマがあって、清盛自身の夢が特化してきて、飽きさせず夢中で読ませてくれた。

厳島神社の構想はいいなあ、修学旅行でいちど見た。あのセンスは素晴らしい。平清盛個人を象徴するものに見えてくる(あのネバーランドがマイケル・ジャクソンを表しているみたいに)。

登場人物の中では鼻さんが気に入ってるんだけど、活躍がだんだん地味になってくるな。

2009年12月13日日曜日

ホームズ物四つ


青空文庫より
(アーサー・コナン・ドイル作)

唇のねじれた男
The Man With the Twisted Lip
(大久保ゆう 訳)

踊る人形
The Adventure of the Dancing Men
(三上於菟吉 訳、大久保ゆう 改訳)

患者兼同居人
The Resident Patient
(三上於菟吉 訳、大久保ゆう 改訳)

土色の顔
The Yellow Face
(三上於菟吉 訳、大久保ゆう 改訳)

シャーロック・ホームズ物って有名で基本なんだろうけど実はほとんど読んだ事ないのよね。というか外国の推理作家ってクリスティ以外あまり知らなくて手を出していない。とりあえずコナン・ドイルは押さえとくべきかな?と思って読み始めてみる(動機不純)。

謎は難しくて何が起きてるかとても思いつけない。それをきれいにまとめる、そういう意味では面白かった。ただワクワク感があまりなかったな。以前テレビドラマで見た時もそうだったけど。なんとなく人間味がなくて取り澄まして見えるこの名探偵が好みではないのかも。

Marilyn Monroe / Cliffhanger / bigwig / hot


Marilyn Monroe, 1926-1962: America's Most Famous Sex Symbol
VOA Special English - People in America より

マリリン・モンローの生い立ち。
前にも聴いたので見てみたら2006年にpodcastでダウンロードしていた。でもそっちにはマリリン・モンロー自身の肉声とか歌がなかったけど今回のには入ってる。VOAはどうやら同じ記事でも新しい方は内容が少しだけ変わってたりするようだ。
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Cliffhanger: Rock Climbing as Sport and Art
VOA Special English - Explorations より

ロッククライミングについて。
全然興味のない分野ではあるけどね。でも聴いててとてもわかりやすかった。
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Words and Their Stories: Bigwig
bigwig(大物)、big wheel、top banana、kingpin
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Words and Their Stories: Hotheaded Hot Shot
hot potato(難題)、not so hot、hot shot、hothead、hot under the collar、hot line
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2009年12月12日土曜日

新・平家物語 2巻


新・平家物語(二)
(吉川英治)
講談社 吉川英治歴史時代文庫48

ストーリーはエキサイティング。まず戦争(保元の乱)があり、その後の厳しい戦後処理、そして権力構図の変化、それがまた新たな陰謀を生み出し再び戦争(平治の乱)へ突入、という激しい展開。肉親をも斬らねばならぬなど沢山の登場人物たちの苦悩や葛藤や心根が映し出されて実にドラマチックな展開だった。

未だに名前ではよく混乱するけどね。登場人物表みたいなのがあればいいのに。巻末に系図があるので少しは助けになっている。時々だいぶ前に登場した人が出てくるので、あれ、この人何だっけ?てなこともしばしば。まあ読むのにそれほどさしさわりはないけども。




ちょっと気を引いたのが『源氏の八領』という八つの鎧。その中に『楯無』とちょろっと書いてあって、おや?これはもしや地元の菅田神社にあるものではないですか。国宝とは聞いてたけどこの時代に名前が出てるような由緒ある物だったのね。たてなしのよろいなんて変な名前、くらいにしか思ってなかった。写真でしか見た事ないし。

家族に聞いたら菅田神社は40年位前に火事があったそうで。石造りの建物に入っているから無事なんだけど。何でこんなとこにそんな鎧があるのかは武田家伝来のものであるとか。ふーん、菅田神社ってお祭りの時行くくらいで、見せてくれない国宝がある以外は極めてフツーの街中の神社なんだけどな。今まで興味もなかったなあ(昔から社会科が超苦手で)。

2009年12月10日木曜日

Carlsbad Caverns National Park


VOA Special English - This is America より
Another World, Underground: Carlsbad Caverns National Park
(カールズバッド・キャバーンズ国立公園)

podcastで聴いてて印象的だった。と言っても大きな洞窟の事、多分鍾乳洞か何かのを話しているらしいくらいしかわからなかったけどね。文の方も英辞郎のお手伝いで読んで一応理解したので、これはとっといて何回か繰返して聴こうと思う。

半七捕物帳 11〜15


半七捕物帳(岡本綺堂)
 11 朝顔屋敷
 12 猫騒動
 13 弁天娘
 14 山祝いの夜
 15 鷹のゆくえ

短くてまとまりが良くて面白い。時代の様子もよくわかる。でも一度に沢山読んでしまうとどんな話だったか忘れちゃうから少しずつね。といって前に読んだものもタイトルだけだとどんな話だったっけ状態になりつつあるなあ。まあテレビ時代劇を見るような感覚で楽しめる。

「鷹のゆくえ」はなんと逃げた鷹の捜索という難しい仕事で、一体どんな話にしていくのかと思った。見事なものです。
 

2009年12月7日月曜日

VOA Special English の podcast が変更?


VOA Special English の podcastが最近変更になったんだね。このごろ聴いてなかったから気付かなかった。

前は購読はしなくて並べられてる記事からいくつか選んでダウンロードしてたのだけど、それができなくなっちゃったみたい。曜日を選んでダウンロードすればできなくもないだろうけど紛らわしいし。

30分番組だと残しておきたいのが他のと混ざりそうだから、やっぱり15分と5分と4分のを購読して聴きたいのだけ残してあとは捨てるやり方になるかな。3回分ずつしか置いてない様子だし。真面目に全部聴こうとなんて思うと絶対飽きるよ私。

備忘に

Voice of America: English - Learning English から

・15 MINUTE FEATURES
 (日)People in America
 (月)This is America
 (火)Science in the News
 (水)Explorations
 (木)The Making of a Nation
 (金)American Mosaic
 (土)American Stories

・5 MINUTE FEATURES
 (土)In the News
 (日)Wards and Their Stories
 
・4 MINUTE FEATURES
 (月)Development Report
 (火)Agriculture Report
 (水)Health Report
 (木)Education Report
 (金)Economics Report

メモ:
毎週メールでその週の記事タイトルと簡単な概要が書かれたものが送られてくる。VOA Special English のサイトから登録したんだと思う(やり方は忘れたけど)。だけど American Storiesは時々しか出てこない、American Storiesのページに載せられているものだけ(著作権の関係から?)。15分番組の購読だと、これからは載らないものもいろいろ聴けそう。

2009年12月6日日曜日

ミスト


DVD:ミスト(The Mist)

監督:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
2007年アメリカ映画

嵐の翌日発生した霧によって人々が恐怖のどん底に落とされるパニック映画(かな?)。すごかった。悲しすぎた。当分忘れられなさそうだ。

敵は外側からだけじゃなく閉じこめられた人々の心の中からも生まれる。むしろそちらの描かれ方が巧みで怖い。閉じこめられている状況は見ていてキツくて、アメリカ映画らしく早くなんとか打開してよ〜、って願ってた。

満潮に乗って


満潮に乗って
(アガサ・クリスティー/恩地三保子 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Taken at the Flood

面白ーい。読みやすかったからすらすらとページが進む。いつもは登場人物を覚え込むのに苦労するんだけど、これは登場の仕方も個性も際立っていて人物像を想像しやすかった。本のカバー内側の登場人物名を見たら笑えるほどクロード姓ばかりで難儀するかと心配してたから。

一族の一人が金持ちで将来の心配もなかったクロード家の面々。その頼りにされていたゴードン・クロードが若い娘と結婚してすぐ戦争の爆撃によって死んでしまったためいきなり金詰まりに(財政上の危機ともいう)。憎しみとか体面とか戦後の心の傷痕など人々のドラマと、そして勿論殺人の謎とエルキュール・ポアロ。最後はとてもいい感じに終わった。



ただお目こぼしにはちょっと納得できないんだけどな。

2009年12月5日土曜日

牧師館の殺人


牧師館の殺人
(アガサ・クリスティー/田村隆一 訳)
ハヤカワ文庫
原題:The Murder at the Vicarage

マープルものの第一作目なのだそうだ。ミス・マープルは噂話の好きな田舎のおばあさんたちの中でもひときわ観察力が鋭いため、あまり好かれていない、というのは面白い。殺人事件なんか起こりそうもない村で誰からも嫌われていた頑固で独善的な正義漢の大佐が殺され、事件現場となった牧師館に住む牧師が事実上の探偵役として読者の目となる。

読み始めると面白くて一気に読み込める。実をいえば多くの謎はきれいな形できちんと最後に見せてくれるだろう、ってあまり細かい殺人の経過を考えもせずに読み進んでいった。牧師さんやミス・マープルまかせ。作者は練り上げるのに苦労してるだろうにね。それより等状する多くの人の個性がだんだんに際立っていくので、人物像や不可解な行動の意味を考えていくような読み方をしていた。結局思いもよらぬ真相にはちっとも近づけなかったんだけどね。

2009年12月4日金曜日

ボトムレス(連載中)


ボトムレス 第3回
(拓未司)

NHK出版 WEBマガジン」て所に。サイトの説明がないみたいだけど、タダで読めるとこってことでいいんだよね。ここの「ボトムレス」が面白くて楽しみにしている。月1回の更新のようで待つ身は辛いな。何回まで続くんだろう。

ここの紹介文をそのまま引用すると


食べた人を魅了する「死ぬほど旨い料理」とは? 過熱する美食ブームに警鐘を鳴らす、新感覚ミステリー。


ミステリーっていうよりホラーっぽいけど。タイトルページもそんな雰囲気だし。3回目になっていよいよむき出しな醜悪シーンが出てきた。(好み)

新・平家物語 1巻


新・平家物語(一)
(吉川英治)
講談社 吉川英治歴史時代文庫47

やっぱり長い大河ものは小説で浸るのに限るね、って読み始めた。けど全部で16巻もあるので読み切れるだろうか。自分が飽きないでいてくれる事を願う。第1巻は、とても面白かった。順調な滑り出し。

若き日の平清盛とその家族だけでなく、天皇やら上皇やらそれを取り巻く様々な人々の姿が描かれる。苦悩に悲哀に色事に権謀術数等々ドラマ的に読みごたえがある。政治や人間関係の複雑さも丁寧に表されていてわかりやすかった。似たような名前が多くて混乱するけどね。

注釈が後ろの方にまとめられているのはねー、読む流れが切れてしまうじゃないですか。その言葉が出たページの隅に入れてくれればいいのに。最初は参照してたけど、わかんなくてもいいかって思っていちいち見るのをやめた。注釈ないけどわからない言葉ってのも多いしね。

2009年12月1日火曜日

鳥人計画


鳥人計画
(東野圭吾)
角川文庫

犯人は前半で明かされるが、数々の謎で惹き付けて最後まで夢中で読んだ。「何故?」「どうやって?」そしてどんな展開と結末を迎えるのか、の他に「誰が」という謎があるっていう巧みな作りで目が離せない。ドラマとしても悲しくて心に残る。

スキーのジャンプ競技の話で私的には馴染みがない。ジャンプはオリンピックの番組を1、2度見た程度だし、スキーは高校のスキー教室で一度だけ(寒くて足がかじかんじゃったのでもう二度と行きたくない)。でも旅行でジャンプ台を上から見たことがあって、げーッ、こんな恐ろしい所から…ジャンプ競技者の凄さは思い知った。ともかく進んで読みたい分野ではなかったのだけど、とてもわかりやすく読ませてくれた。

ただ最初から人物名が多かったので後半くらいまで名前がよく覚えられなかった。最後の終わり方はちょとばかり後味がよくなかった。

2009年11月25日水曜日

方丈記


方丈記
(鴨長明)1212年
日本古典文学テキストより

『行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。』の書き出しで有名な古典。ここの一段落分しか知らなかったけど、全文はそれほど長くはなく文章も読みやすかった。とは言っても高校以来すっぱりお別れしていた古典の文章なんで難しくてわからない所も多かったけど。でも英語多読と同じようにわからない所を気にせず読んでいった。少なくとも外国語よりは内容に浸れる。

前半が大火事や地震などの大きな災害などについて描かれ、後半は人里離れた筆者の暮らしが綴られている。人との関わりを避けた様子はどことなく寂しげ。冷静に、どことなく冷ややかに世間を見てるようでもあるけど、あんまり何度もこれこれこういう面倒がないって出てくるので、もしかすると本当は寂しいんだけど自分に言い聞かせているようにも見えたりして。


青空文庫ブラウザのazurで同じようにキレイに表示される。ただ、もとのページをSafariでそのまま読むとルビの部分がそのまま表示されてしまっている。ソースを見たらルビ用のタグが使われていてこれがSafariでは表示できないようだ。今知った。ちなみに青空文庫はルビ部分をさらに括弧でくくってあるのでSafariで読むのにも差し支えないようになっている。これも今知った。

2009年11月24日火曜日

パタリロ! 文庫版45巻


パタリロ! 選集45巻 
謎解きパタリロの巻
(魔夜峰央)
白泉社文庫

文庫の新刊!本当に久々に出たなー(44巻は2007年発行)。副題通り謎解きのストーリーが多い。内容もギャグも充実しててすごく楽しめた。面白かった。笑えた。

ちょっとだけ気になったのが、女の子キャラの絵に(魔夜峰央さん的な)美がなくなっちゃったのかなって思った事。「パタリロ娘」での子供たちがかわいくないし、他の話に出てくる19才の子も器量が足りない。

ヒューイットさんがパワーアップしてて面白い人になってた(というか相変わらずというか)。面白さではこの話が一番笑えた。

解説は各巻の表紙を飾る人形の製作をしている方。これも面白かった。今回の表紙はそれはそれはインパクト大。

2009年11月22日日曜日

平家物語


(文 ささきようこ、絵 駒原みのり)
表現社

よく旅行先で土産物屋さんにむかし話なんかの和綴じの本が並べられてるコーナーがあるでしょ。その中に「平家物語」があったので思わず買った。52ページで表紙裏には地図や家系図も載っている。なかなかな拾い物だなって満足した。簡単に読み切れたし。ただ名前が多くて混乱するんでじっくり読んで覚えていきたい。

平家物語って有名な割に知らないんだよね。古典の授業ではイントロ部分と俊寛僧都の場面を習ったり、他は漫画やドラマ等で源頼朝や義経がメインの話の中とか、手塚治虫さんの「火の鳥」等で部分的に知ったくらいで。通したあらすじを知ったのは初めて。すごい大河な戦記物なんだなあ。

よく見ると表紙は「平家物語 一」になってた。1ページ目には「平家物語一 滅亡への歩み」とあるので2巻目以降もあるのかも。

2009年11月20日金曜日

監獄部屋、扉は語らず


青空文庫より

監獄部屋(羽志主水)
扉は語らず-又は二直線の延長に就て(小舟勝二)
恋愛曲線(小酒井不木)
江戸川乱歩氏に対する私の感想(夢野久作)

下の二つは再読。夢野久作さんのを読んで、その中に出てきた作品名や作者名から上の二つを読んだ。「恋愛曲線」もこれから知ったんだけどすごい作品で、タイトルを見たらまた読みたくなったので。

「監獄部屋」も「扉は語らず」もすっごく後味が悪いんですけど。でも「監獄部屋」は衝撃的でぐさっと心に残る。「扉は語らず」は文章表現がちょっと面白くて一風変わってた。淡々としてるとこも怖い。

2009年11月19日木曜日

世界怪談名作集よりいくつか


青空文庫より
世界怪談名作集(訳 岡本綺堂)
 04 妖物(ダムドシング)(アンブローズ・ビヤース)
 06 信号手(チャールズ・ディケンズ)
 09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃(アーサー・コナン・ドイル)
 10 廃宅(エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン)

 今回の読書はなんかイマイチだったな。「廃宅」は解決というには不足があって納得できないし、「信号手」や「北極星号の船長」は怖くなかった。「信号手」は情景がイメージできなかったし…読解力が足りないのかもしれないけど、知らないことって想像できないしね。「妖物」は発想が面白くてこの中では一番よかった、ただ設定が地味すぎて物足りないって思った。

2009年11月18日水曜日

藪の中


青空文庫より
藪の中(芥川龍之介)
1922(大正11)年

ひとつの殺人事件の当事者3人の証言に食い違いがある、というストーリーで面白い。ずっと昔テレビで見た黒澤明監督の映画「羅生門」はこれだったのね。見た当時は映画のタイトルと、知ってた小説の方の「羅生門」と内容が全然違っていたので???と思ってた。映画は印象強かった。ただ残念なことに詳しい結末まで覚えていない。また映画をもう一度見たくなった。

証言が人によってずれがあり事件が形を変える(形が見えてくる)って話で忘れられないのが、山岸凉子さんの漫画「瑠璃の爪」。流れが映画「羅生門」を思い出させた。内容がまたさすが、って感じで、地味にキツくてひどく心の中に留まっている。

Wikipedia:藪の中
Wikipedia:羅生門(映画)

2009年11月16日月曜日

半七捕物帳 7〜10、他


今日は青空文庫の 岡本綺堂 の作品リストから。なるべく短めのものを選んでいくつか読んだ。

半七捕物帳(岡本綺堂)
 07 奥女中
 08 帯取りの池
 09 春の雪解
 10 広重と河獺

世界怪談名作集(訳 岡本綺堂)
 01 序/目次
 18 牡丹灯記(瞿佑(くゆう) 作)

年賀郵便(岡本綺堂)
読書雑感(岡本綺堂)
風呂を買うまで(岡本綺堂)

下の3つはエッセイ(かな?)のようで時代の変化がすごく興味深い。特に「読書雑感」はね。本に関しては後の時代に生まれるほど恵まれた環境だなっては実感してる。今ってすばらしい時代だよね。などと思いつつ、まださらにアマゾンのキンドルを欲しがってる自分がいたりする。

2009年11月14日土曜日

連環


連環(松本清張)
講談社文庫

野心のために人を踏み台にし、殺人さえも厭わず、そうやって金を手に入れた主人公は着実に事業を成功させつつあるが、破滅の足音がだんだんに主人公を追い込んで行く。

強気の主人公はなんとかうまく立ち回ってきてはいるが、目に見えない敵と(目に見える)人々が徐々に主人公の神経を参らせていく様子がリアルで、読んでいるうちに主人公の気持ちに入っていって周囲の人間たちが薄気味悪く見えてくる。実際主人公もだけど追いつめる側の人間も汚い。息詰る戦いのようで一気に読んでしまった。

印刷や出版やジャンルに関することも興味深かった。

半七捕物帳を3つ、他


●青空文庫より

半七捕物帳(岡本綺堂)
 04 湯屋の二階
 05 お化け師匠
 06 半鐘の怪

修禅寺物語(岡本綺堂)

●プロジェクト杉田玄白より

マッチ売りの少女(アンデルセン)
ブタ飼いの王子(アンデルセン)

Hans Christian Andersen: Fairy Tales and Storiesより

The Little Match-Seller
The Swineherd
(上記の英語版)

「修禅寺物語」は手塚治虫さんの「七色いんこ」で知った。
「ブタ飼いの王子」って何かおかしなストーリーだな、煙にまかれた感じ。アンデルセン童話の英語ページには山ほど作品が載っているけど私の英語力ではやっぱり難しめだから知っている話やこんなふうに翻訳してくれているものから攻めていこうかなと。

2009年11月13日金曜日

The Monkey's Paw


The Monkey's Paw
( W.W. Jacobs )

誰でも知っていると思う「猿の手」という怖〜い話。1902年。この哀しみと戦慄!すごい作品だなと再認識しました。

2009年11月12日木曜日

怪談:怪しい物の話と研究


怪談:怪しい物の話と研究
(小泉八雲/小林幸治 訳)
プロジェクト杉田玄白より

こちらにも「怪談」が。ほとんどのものが訳されている。しかも英語も一緒に載っているのでどうせだからここで全部読んでしまおうと思って読ませていただきました。最初に英語の方を読んでから翻訳を。多読では知らない単語は気にしないようにとなってるけど難しい単語が多すぎるとどうしても気になってしまう。でも翻訳がセットだと安心して単語気にしない読みができた。

翻訳されていないものがいくつかあって、そこはやっぱり理解度が半分にもなってないだろうけど、それでもまあ粗筋くらいはつかめたかな。ただ「虫の研究」の「蝶」と「蟻」は長文だしほとんどわからなかった。でも一応は読んだけどね(目を通しただけともいえる)。

ところでここの「葬られた秘密」の中でお園という女性の幽霊が出るのだけど、登場するときの表現(『水面に映る影が透けて見えるように』の前後)で、ああ、幽霊ってこういうイメージで考えられてるから足がない姿で描かれるのかって妙に納得した。

2009年11月5日木曜日

放課後


放課後
(東野圭吾)講談社文庫

後味がちょっと辛いかな〜。でもすごい、さすが江戸川乱歩賞受賞作という感じで期待を裏切らない読み応えだった。夢中で一気読みしてしまった。主人公は女子校の教師という設定が息苦しいような閉塞感を生んでいて、オビに書いてあるような「青春ミステリー」って感じはちょっと違うかな。普通の高校生活なのに何かが起こるような不安(と期待)が常に感じられてた。

2009年11月4日水曜日

名探偵の呪縛


名探偵の呪縛
(東野圭吾)講談社文庫

「名探偵の掟」の続編、と言っても特に前作をあまり覚えていなくても(!)問題無し、の長編作品。楽しくどんどん読み進められる。
名探偵な主人公が活躍する世界は普通の世界と大きな違いがあり。また本格的な事件が起こる前から、ある謎が横たわる。作者の作家としての思いが込められた作品ともいえる。




骨董的本格か社会派かってそんなに大事なのかな、どっちも好きだけど。まあそれほどミステリって読んできてないし無責任な読者だから思うんだろうけどね。

2009年11月3日火曜日

タイムマシン


タイムマシン
(ハーバート・ジョージ・ウェルズ/山形浩生 訳)
プロジェクト杉田玄白より

長かったので2日で。面白かった。タイトルからの想像とはだいぶ違った内容だった。
アジュール(青空文庫リーダー)を使いだしてから初めての長い作品のパソコン読書だったかなと思う。

名前しか知らなかったけど有名なこういう作品までネットで読めてしまうなんていい時代だなあ。気概を持った方々の活動には頭が下がります。



もうひとつ読んだのはVOA Special Englishから
A Scary Story to Get You Into the Halloween Spirit
そんなには怖いストーリーではないような気がした。音声はいい感じ。

2009年10月31日土曜日

青空文庫:半七捕物帳


を読み始める。テレビ時代劇のシリーズ物っぽくてなかなか面白い。長さも丁度いい具合で楽しめた。今日読んだのは3つ。全69作もあるようなので、んー全部読めるだろうか。


半七捕物帳 01 お文の魂(新字新仮名)
半七捕物帳 02 石灯籠(新字新仮名)
半七捕物帳 03 勘平の死(新字新仮名)

2009年10月30日金曜日

本:キャン・ユー・スピーク甲州弁?


(五緒川津平太)
樹上の家出版
ISBN 978-4-9904557-0-5

面白すぎる〜。けどたぶん県外の人には受けない本だろうな。アマゾンでも扱ってないようだし。
山梨県の国中(クニナカ)の人にはぜひ勧めたい。郡内の方言は扱っていないようです。

使ってなくても聞いたことはある言葉とか、仲間内では普通に使う言葉とか…うんうん、なんて頷きながら読める。4コマ漫画とか相談室とか英甲辞典だの甲州弁七不思議だの甲州弁を隠蔽するための講座だの沢山の切り口。


「持ちに行く」が方言だとは今日まで知らなかった。ビックリ。「取りに行く」とどっちも普通に使ってたけど。

2009年10月28日水曜日

聞く:オーディオブック(Lobel作品)とポッドキャスト(ガーデニング)


オーディオブック:Arnold Lobel Audio Collection
( Arnold Lobel )
ナレーター:Mark Linn-Baker
58分 $6.85

ロベールさんの絵本の朗読。初心に返って聞きやすいものをと思い。4作品の入ってるこのオーディオブックを買った。
1: Owl at Home
2: Grasshopper on the Road
3: Uncle Elephant
4: Small Pig

英語は簡単で、聞いてるだけで楽しい内容。このうち3と4は本も持ってるんだけど、1と2の方も聞いているうちに絵本でも見たくなっちゃう。ステキな絵と面白くてちょっととぼけた内容のセットがロベールさんの魅力だものね。



podcast:Gardening in a Minute
2009年10月19〜23日分 5分
1: Holly Fern(ヒイラギシダ?)
2: Wax Myrtle(←こういう名前の植物)
3: Fungus Gnats(写真を見たらヤブ蚊かと思ったらキノコバエとかいう虫らしい?)
4: Ornamental Grasses(グラス類)
5: Bottle Trees(ボトルツリー!?)

このうちおかしかったのがボトルツリー。何かと思えば枝に色つきのビンがかぶせられてる写真。おまじない的な飾りか何かで、元々は悪魔を捕まえるためのワナということらしい。

青空文庫:小泉八雲

今日読んだのは青空文庫の小泉八雲さんの作品をひととおり、他。翻訳が上手なのか原文がそうなのか、さっぱりしていてわかりやすい。とても読みやすくて面白い。

青空文庫:小泉八雲作品
・停車場にて(林田清明 訳)
・橋の上で(林田清明 訳)
・葬られたる秘密(戸川明三 訳)
・耳無芳一の話(戸川明三 訳)
・貉(戸川明三 訳)
・雪女(田部隆次 訳)
・ろくろ首(田部隆次 訳)

英語での「KWAIDAN」は Kwaidan Indexから一番短そうな「Mujina」を読んだ。azur使って読みやすく。



American Folkloreのサイトから以下のも読む。
The Death Waltz(retold: S.E.Schlosser)
Bloody Mary(retold: S.E.Schlosser)

2009年10月27日火曜日

ネットで読書


時間がたっぷりあったんで今日は読書の日。パソコン画面での読書は短めのものを探しちゃうな、本は寝転がって読む事の方が多いので。

青空文庫から
家のあるじとして気になること(フランツ・カフカ/大久保ゆう 訳)
道理の前で(フランツ・カフカ/大久保ゆう 訳)
処刑の話(フランツ・カフカ/大久保ゆう 訳)
罪と覚悟(オー・ヘンリー/大久保ゆう 訳)
サンタクロースがさらわれちゃった!(ライマン・フランク・ボーム/大久保ゆう 訳)

Short Storiesから
The Wicker Husband ( Ursula Wills-Jones )

VOA Special English(American Stories)から
To Build A Fire ( Jack London )


The Ghost Ship of Captain Sandovate ( S. E. Schlosser )

活躍してくれたのが青空文庫ブラウザ「azur」(アジュール)。ホント読みやすい。英語ページでもなんとかいける。行間が広くて2段組みにできて文字も大きいし栞機能も便利。ただ時々だけど英文はなぜかスペースが抜けて単語がくっついちゃうことがあるのが??

カフカさんの作品はどうも難しくてよくわからない、The Wicker Hasbandは途中からよくわからなくなった。そう思いつつ最後まで読めちゃうのはアジュールのおかげかな。

最後のは前にも読んだんだけど短くて忘れ難いストーリー。パイレーツオブカリビアンのpodcastで全文紹介されてて、文で読みたくて「Give me just one sip of water」で検索したら見つかったもの。

2009年10月25日日曜日

青空文庫:RUR


青空文庫:RUR
(カレル・チャペック/大久保ゆう 訳)

「園芸家12カ月」のカレル・チャペックさんの戯曲。1920年頃の作品。
面白かったです。古さを感じさせない。労働力としてのロボットの製造、そしてロボットたちの反乱、と聞くとよくあるパターンと思われがちだけど、切り口が全く違う。ロボットそのものが違うこともあるし、流れも結末も予想もつかない、勢いもすごい。斬新て言葉は変だがそう感じた。1920年ていうと日本では大正時代!当時のチェコがどんな国かわからないけどさぞぶっ飛んだ作品だったのでは?

満足しました。このような作品を無料で読めるなんて、翻訳の方にも感謝いたします。

2009年10月24日土曜日

bonsaiのサイト


盆栽って世界的にも人気があるのね。英語ページ見るのにガーデニングよりはやや身近かなと思って検索したら読みやすいサイトがあった。The Bonsai Siteというとこ。メインページ、イントロダクション、ヒストリー、スタイルのコンテンツを読んだ。ところどころしかわかんなかったんだけどね(わからなくてもいいから一通りは読むようにって思ってる、最近は)。内容がかなり充実したとこで興味深い。ミニ盆栽とか森みたいになってるのとか、あと中国のダイナミックな盆栽等の写真見てるだけでも面白い。

久々にオーディブルのを聞いてた。「Michael Jackson's Memorial Service (7/7/09)」マイケルジャクソンの追悼式(かな?)の様子の音声で2時間18分、無料。有名人らしき人たちが順にスピーチをしていた。誰のスピーチか紹介が入るわけではないのでわからない(まあ名前がわかったところでアメリカの歌手とかほとんど知らないんだけどね)。内容もやっぱりところどころしかわからなかったけど話し方とか拍手などで会場の空気は伝わってきた。

英語の本読むのには時間かかっちゃうけど音声だと理解しようがしまいが待ったなしで、ぼんやりでも何かしながらでもちゃんと最後までいけるとこがいい。

2009年10月23日金曜日

サフランが開花した


サフラン開花。いつの間に…木の陰で目立たない所だから気がつかなかった。以前から植えっぱなしにされてたもの。構わない方がよく咲いたりするのよね。

TV金曜ロードショー「ゴーストシップ」を見る。最初のいきなりのうわーなシーンで度肝ぬかれた。つかみはバッチリ、展開もドキドキ、ラストに至るまで夢中で見れた。多少設定に無理があるような…でもそれは面白いから気にならないんだけど、説明が手早すぎで理解がすぐに追いつかないー。

オーディブルで最初に聞く「Dear Amanda」が意味がわからなかったんだけど、テキストがあったので読んだ。やっぱりわからない…。語り手のジョーイという人は別れた女にしつこい粘着的な男って理解でいいんだろうか?最後のとこもわかんないな。

2009年10月19日月曜日

抜根機


昔桑の木を抜くのによく使ったそうだ。無骨でシンプルで便利だから結構好き。昔の知恵のつまった道具って感じ。ただ運ぶのに「ものすごく」重い!夫以外には(もしくは二人でしか)運べない。位置にセットして切り株にワイヤーをかけてもらえさえすれば、あとはレバーの上下だけ(ここだけなら女手でもできる)、そうして切り株がゆっくり持ち上げられて行く。土がミシミシ動いて根っことせめぎあいして、ダイナミックでした。





2009年10月18日日曜日

盆栽展に行った

前の自分には考えられないなー、こういうとこへ行きたいって思うなんて。園芸に夢中になりだしてからもうすぐ1年。それまでは花や木の名前もろくに知らなかったんだよね。やりたくなってからはハシカにかかったみたいだ。思った通りにはなかなかできないけど花が咲くと嬉しい。

盆栽展は目の保養に。すごいなあ…ただただ感心する、今はね。昔は何がいいのか全くわからなかった。面倒そうだしえらく気の長い趣味だしおまけに花が咲くならまだしも松とか渋すぎる、なんてね。年取ったからかしら。

2009年10月14日水曜日

本:園芸家12カ月


(カレル・チャペック/小松太郎 訳)中公文庫

面白くて一気読み。作者はチェコの有名な文学者らしい。同時に中毒ともいえる園芸マニアでもあるらしい。

庭を愛し、植物を愛し、土作りを愛する…なんていうと教科書的人物っぽい響きが出てしまうが、いやいやそうじゃなくてワガママで偏執狂的で対象への奴隷で傍から見れば変わり者の、世に言うマニア。愛の対象も「自分の」庭、「自分の庭の」植物または「自分の庭にあるべき」植物、「自分の庭の」土作り。そんな園芸家たちの1年間を面白おかしく綴っている。

翻訳がまた上手で、皮肉めいた言い回しとか作者が日本語で書いているとしか思えない。それに園芸にも詳しいらしく訳注だけで15ページもあり、これはこれで読みごたえがある。驚いたのはこの方もう亡くなっているんだけど明治生まれで解説の日付は昭和34年(1959年)。作品も翻訳も古い物だとは全然気がつかなかった。



2009年10月3日土曜日

勝沼ぶどうまつり


に行ってきた。ぶどうまつりって言ってもワイン祭り、無料のワインと500円のワイングラスで会場内のワイナリー新酒の試飲で、つまり飲み放題なお祭り。屋台も多いのでシート持参で一日中飲食を楽しむ人も大勢いる。残念なことに昨日までの雨で会場広場がぬかるんでて歩きにくかったな。でも晴れてよかった。

前に行ったのは3、4年前だったか?その時は運転役で飲めなかったし買ったワインは歩き回るのには重かった。今年は子供が送り迎えしてくれて、それにリュック持参でバッチリ(片手はワイングラスでふさがっているから飲み食い、オミヤゲのためにはリュックかキャリーバッグがオススメ)。極甘のナイアガラをはじめ甘口中心に5本も買っちゃった。辛口はわりとどこでも買えるからね。桃のワインって味も香りもホントに桃で面白い味。あとアジロンって初めて聞いた。他には甲州と甲斐路を。

会場近くの観光園で藤の花みたいな長ーいブドウがなっていた。「ネヘレスコール」という品種の赤系で「レッドネヘレス」という名前だと教えてもらった。写真のがそうです。