死が最後にやってくる
(アガサ・クリスティー/加島祥造 訳)
ハヤカワ文庫
原題:Death Comes as the End
異色の紀元前2千年のエジプトが舞台、でありながら全く違和感のないいつものクリスティー作品だった。家長の専横に不満を抱いている家族、ある出来事をきっかけに人々の間に憎しみが広がりそれが殺人に発展する。
読みやすくてとても面白かった。舞台設定のためもあるだろうが記憶に残る作品になりそう。登場人物たちの名前は耳慣れないけど、でもイギリスステージと違って単一で呼び名が変わらないので却っていつもより混乱がなく読み心地よかったといえる。
翻訳でかちょっと、キャラの話し言葉に違和感があった。丁寧かと思えば相手の事を「あんた」なんて呼ぶとか他にも妙な所で口汚さも感じて、場のイメージをつかみにくく感じた。
深堀骨という人の解説が爆笑もので「そうかもー」って思ってしまう。