新・平家物語(二)
(吉川英治)
講談社 吉川英治歴史時代文庫48
ストーリーはエキサイティング。まず戦争(保元の乱)があり、その後の厳しい戦後処理、そして権力構図の変化、それがまた新たな陰謀を生み出し再び戦争(平治の乱)へ突入、という激しい展開。肉親をも斬らねばならぬなど沢山の登場人物たちの苦悩や葛藤や心根が映し出されて実にドラマチックな展開だった。
未だに名前ではよく混乱するけどね。登場人物表みたいなのがあればいいのに。巻末に系図があるので少しは助けになっている。時々だいぶ前に登場した人が出てくるので、あれ、この人何だっけ?てなこともしばしば。まあ読むのにそれほどさしさわりはないけども。
ちょっと気を引いたのが『源氏の八領』という八つの鎧。その中に『楯無』とちょろっと書いてあって、おや?これはもしや地元の菅田神社にあるものではないですか。国宝とは聞いてたけどこの時代に名前が出てるような由緒ある物だったのね。たてなしのよろいなんて変な名前、くらいにしか思ってなかった。写真でしか見た事ないし。
家族に聞いたら菅田神社は40年位前に火事があったそうで。石造りの建物に入っているから無事なんだけど。何でこんなとこにそんな鎧があるのかは武田家伝来のものであるとか。ふーん、菅田神社ってお祭りの時行くくらいで、見せてくれない国宝がある以外は極めてフツーの街中の神社なんだけどな。今まで興味もなかったなあ(昔から社会科が超苦手で)。