2009年12月26日土曜日

半七捕物帳 16〜18

青空文庫より
半七捕物帳(岡本綺堂)

16 津の国屋
他の作品より長く倍くらいあり、内容も応じて凝ったものになっている。怨念の恐れ、とのかねあいもバランスが良くてスムーズな運びになっていてとても面白かった。

17 三河万歳
事件の始めのシーンが謎的にも絵的にも非常に印象的、つかみがいいってやつ。万歳(まんざい)とか才蔵とか鬼っ児(鬼っ子)等々知らない言葉がいくつかあってこれはYahoo辞書のお世話になった。この作品に限らないけど今とは違う時代の様子がよく描かれていてとても興味深くて面白い。猫と子供のエピソードがちょっとあわれな感じがした。

18 槍突き
通り魔殺人を扱っているが単純な状況でなく不思議な出来事がちゃんと起きている。何故か半七が手がけた事件ではなく七兵衛という岡っ引きが探偵役になっている。犯人逮捕に至るまでの七兵衛の行動も謎掛け的。