2010年10月28日木曜日

「病院横町の殺人犯」他5

青空文庫(iPad読書)から

  1. 病院横町の殺人犯(ポー/森鴎外 訳)
  2. モルグ街の殺人事件(ポー/佐々木直次郎 訳)
  3. 赤毛連盟(コナン・ドイル/大久保ゆう 訳)
  4. 山椒大夫(森鴎外)
  5. 高瀬舟(森鴎外)
  6. 外科室(泉鏡花)

1と2は同じ作品の翻訳だが、森鴎外訳の方は言葉が難しくてやや読み辛い。その後読んだ佐々木直次郎訳は流れるように読めた。再読でもあるし内容を知った上で読んでいるためもあったが、初読の時の、出だしの部分が観念的で放り出したくなってた部分も丁寧に読むことができたし、殺人現場のイメージも前の時よりはよくわかった。特に窓のところ。

出だし部分は森鴎外訳の方はすっぱり切られていて、巻末にそのことも翻訳者本人からの説明にあった。確かに削除されるのも嫌だけど、あるとそのために作品自体を敬遠してしまいそうだ。もしも英語がもっと理解できるようになったとしてもポーの作品は読むのに難しすぎそうで無理だろうな。翻訳物か子供向けに?易しく書き直されたものしか読めないだろう。作品の出す雰囲気が好きなだけに悔しい気がする。

6「外科室」短い作品だけれど、詳しくは語らてないのに現れた部分に沢山のものが凝縮されていてすごい。手術室の息苦しさと緊張感を描きつつ愛の激しさがほとばしる。イメージ的には室内の鮮血の恐怖と鮮やかさを見せられた感じ。プラトニックかどうかがわからないんだけれども、どっちでもいいけど、ネットでの感想を見るとそうなっているみたい。

「赤毛連盟」は再読で、「高瀬舟」は初読、「山椒大夫」はストーリーを知ってるけれども初読。iPad(i文庫HD)のいい所はどこでも読める、いつでも続きを読める、読むものが沢山ある、などいろいろあるけど「字が大きい(大きく表示できる)」が私的には一番かも。読みにくい昔の文章も文字が大きいだけでこんなにも違うかなというほど読める。老眼になりつつあることもあるけど、ともかく読む速さが全然違ってくるのが快い。