2010年12月31日金曜日

年末まで分、まとめて3つ

1. 探偵ガリレオ
(東野圭吾)文藝春秋
理系のトリックを使った殺人、5件の短編集。知らない分野の思いもよらない手口が興味深い反面、まったく雲を掴むような事件で想像も及ばないので、種明かしされても意外性を却って感じられなくて勿体ない感じ。突然現れた未知の人物が犯人だった、みたいな印象を受けた(そういう風になっているわけじゃなくて苦手な理科的トリックがね)。最後の「第五章 離脱る(ぬける)」はとてもよかった。


2. アオイホノオ 5巻
(島本和彦)小学館少年サンデーコミックススペシャル
自動車教習所との熱い戦い、というかホノオ君今まで以上に苦難の厳しい歩みで、かなり打ちのめされ気味。頑張ってー!


3. パタリロ! 選集46巻 平安大江戸絵巻の巻
(魔夜峰央)白泉社文庫
久しぶりの新刊(もっとも11月26日発行)。テンションの変わらなさがいいな。読み始めは字の多さでちょっと疲れるんだけど(自分がやや飽きてきたからか、目が悪くなって文庫の字の特にふりがなが読めなくなっているためも)、読んでいくうちにどんどんノッてくる。






2010年12月29日水曜日

VOA:クリスマスの植物、音楽、ウィッシュリスト、ストーリー

VOA Special Englishより

  1. Christmas Trees Are Not the Only Hot Plants This Time of Year 
  2. The Sounds of Christmas
  3. iPads, E-Readers, Notebook Computers Top Wish Lists
  4. Short Story: 'The Gift of the Magi' by O. Henry
iPad(VOA Player)にて。

  1. クリスマスの植物。ツリーやヤドリギ(mistletoe)やポインセチアなど。ヤドリギって馴染みがないんだけどね。でも気がつかないだけで日本にもあるらしい。
  2. 音楽。一躍有名になったスーザン・ボイルさんの歌もあり。
  3. 欲しいものリストにiPad等のタブレット型コンピューターが上位にという記事。
  4. クリスマスの定番とも言える小説「賢者の贈り物」。知ってる安心感で聴くのも読むのも楽しめるね。

iPhoto:ブックをPDFで保存

旅行の写真など枚数の多いイベントを説明文をつけたりしてブックにして、(購入しないで)PDF保存に。

前にできないと書いてしまったけど、やり方が3通りあって他の2通りでできるのがわかった。ヘルプは前からこうなってたっけ?だとしたら見落としたのかも。

方法1(バツ)ファイルニュー→プリント→プレビュー(PDF保存)。これは相変わらずできない。写真がなぜか拡大されて一部しか写ってない。

方法2(マル)オプションキーを押しながら購入ボタンをクリック。

方法3(マル)オプションキーを押しながらプロジェクトの背景をクリック、ショートカットメニューが出るの「ブックをPDFとして保存」を選ぶ。(「ブックをプレビュー」にしてから保存でもOK)

同様にカレンダーもPDFで作れる。でも12カ月単位だから、例えば1枚の写真で1カ月だけって作り方はできないのが自由度が少ないかなとも。まあ基本が購入のためのプロジェクトなのでしょうがないか。とりあえず作って該当ページだけを自分で印刷するとかすればいいんだろうけど。無理してiPhotoでやることもないか。

ホロー荘の殺人(クリスティー)

ホロー荘の殺人
(アガサ・クリスティー/中村能三 訳)
ハヤカワ文庫

週末ホロー荘には何人もの客が泊まりにくることになっていた。それぞれは「いい人」たちなのだけれど「一緒になっちゃまずい」人も…ホロー荘の主人の妻ルーシーの言った通り危なげな人間関係があった。近所に住むポアロは昼食会に招待されたのだが訪れた彼の目の前にはいきなり死体が。

登場人物の個性が際立っている。ありきたりの想像力では作り出せないような。特に女主人のルーシーには最初から驚かされた。個々とまたホロー荘という集う場所で、ドラマ性がとても高い。楽しめる逸品だった。




2010年12月23日木曜日

ローカルネタ

前はテレビってそれほど見てなかったんだけど、地デジ買換えでHD録画機能付きのものにしてからはだいぶ生活が変わった。映画やアニメやNHK教育とか、ドラマは時代劇で「仕事人」シリーズにハマっている(テレビ埼玉と千葉テレビと神奈川テレビでやってるんで毎日のように見てる)。


で、こんなのあったんだーって番組表で知ったのが山梨県のご当地ヒーロー「甲州戦記サクライザー」(山梨放送の週1の15分番組)。なかなか頑張ってるっぽい作りで結構期待してる。もうちょっとご当地のお宝とか戦いのステージでの背景で紹介見せやってほしいかな、そこに行ってみたくなるような。アクションはなかなかいい感じ(ただカメラの視点がよく動く感じ?なのでちょっと落ち着かない)。ご当地の本当の一般人らしい出演者が笑いをこらえる震え声でセリフを言ったりするのが楽しい。ローカルなダサっぽい感じが15分番組って長さで疲れさせず楽しめる。特筆すべきは音楽が意外なほどいいこと。アクションシーンの盛り上げにもピッタリ合ってるし、ドラマをいい仕上がりにしてる。

音楽といえば、最近作られた山梨県甲州市の市民の歌「みのりの風 虹の丘」がきれいで感動的。甲州市の各戸に配られたCDを聴いた。松井五郎作詞、森山良子作曲で歌うのも森山良子さん(と地元の中学生の合唱)。甲州市が特に指定されてるようにはなっていなくて、でも故郷から離れた人たちが故郷を懐かしみ、風景を想い描くような感じにしさせるように思う。

第三の女(クリスティー)

第三の女
(アガサ・クリスティー/小尾芙佐 訳)
ハヤカワ文庫

手掛かりが多すぎて何が事件に関係しているのか見当がつかない。そのくせそもそも事件が何なのかわからないという難題。ことの起こりはポアロの元に相談に訪れた(ポアロ的には)変な格好をした若い娘だった。「人殺しをしたかも知れない」とまるで謎掛けのように。しかし結局何も告げないまま去ってしまう。

ポアロとオリヴァ夫人が活動的に事件を探り面白かった。冒頭部分のポアロとオリヴァ夫人のやりとりが笑える。真相はビックリ。ちょっと惜しいのが、時間軸のトリックが、かなり練られたものなんだろうし感心はしたんだけどインパクトが弱い感じがした。「ああ、そういうことだったんだ」って。希望としては「えーっ!そうだったのかー!」っていうように効果的に演出して欲しかった、これに関する経過の部分で。




2010年12月18日土曜日

ロスコー 5巻

Roscoe Riley Rules
#5 Don't Tap-Dance on Your Teacher
(Katherine Applegate)

YL 3くらい
w5945



タップダンスに魅せられたロスコー。レッスンに通わせてとねだる→カラテの時はどうだった?スケートのときは?と親が聞く→一生続けるからと説得、というよくあるパターン。その先に待ってたのは、そして何があったか、ロスコーは何をしちゃったのか。


こども目線がかわいい。そしてじんわりしみてくるよいお話、だれでも自分の子供時代を思い出しちゃうような。ロスコーが実に「普通」な子だから余計にね。





2010年12月15日水曜日

チャンネルはそのまま! 3巻(佐々木倫子)

チャンネルはそのまま! 3巻
(佐々木倫子)
小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL

雪丸花子の父は偉大だなあ。雪丸と幼なじみだったばかりに気の毒だった次郎ちゃん、彼は父親からの教えを守ったために苦労を背負い込むのだが、その教えも…!。

テレビ局はいつでも戦闘モード、時間との戦い、取材対象(プレーリードッグ)との戦い、緊急災害や視聴率、今巻は珍しく他局との生き馬の目を抜くような争いごとが。しかし何たって雪丸花子を抱えているテレビ局である。どんなことにも挫けない、涙目だけど。

最初の第15話「テレビの使命」で地震報道後の上司は達観しているようでカッコ良かったな。苦労の絶えない上司、彼の涙が多いほどに大いに笑える楽しい漫画なのよね、頑張ってね。




2010年12月14日火曜日

S.O.S 2巻(細野不二彦)

S.O.S 2巻
(細野不二彦)
双葉社 双葉文庫名作シリーズ

この漫画は2巻で終わりかあ。もっと沢山見たかったけど。でもまとまりとしては素晴らしいエンディングを見せてもらった。るいとファントムがこれ以上の接近することも望まないし逆も嫌だったもの。最初の出会いの時のるいの姿とかファントムの退場の場面にちょっと泣けちゃった。


2010年12月12日日曜日

S.O.S 1巻(細野不二彦)

S.O.S 1巻
(細野不二彦)
双葉社 双葉文庫名作シリーズ

ゲー、過激すぎ!いや、でも異常に面白い。オビは『美人刑事・るい vs. ストーカー』で、そういう話なんだけども、るいは真っ直ぐでガムシャラで威勢がよくて強気で頑張ってるんだけども、ストーカー(ファントム)の方は凶暴でマメでテンション異常で…でもこう書いても内容を全く表せてないな。

「オペラ座の怪人」(概要しか知らないけど)が下地になっているらしいけど、なんか「愛と誠」で見た(かドラマまで聞いた?)『愛とは戦いである』なんて言葉の方を思い出しちゃった。

ファントムの行動に目が離せない、とんでもないヤツなんだけど。これは対手のるいがこのキャラでこそ活きる絶妙なバランスで作者の力技に感服、これだけの作品を見せてくれてありがとうと言いたい。


ところで上に書いた「愛と誠」の冒頭の言葉はもともとある名言だったのね。

ジャワハルラール・ネルー
愛は平和ではない、愛は戦いである。武器の代わりが誠であるだけで、 それは地上における、最も厳しく激しい、自らを捨ててかからねばならない戦いである。





2010年12月10日金曜日

変身(東野圭吾)

変身
(東野圭吾)講談社


「脳移植によって…」というのは漫画や小説でよくあるテーマだと言ってしまえばそれまでだけど、そういう作品群に影響されているためか、それとも元々脳にメスを入れることへのアレルギー反応からか、最初から条件反射的に「破滅へ向かうストーリー」と予想してしまうし主人公の辿って行く悲劇を味わうための読書って心構え?で読み始めてる。

勿論この作品もお約束通り。勿論東野圭吾さんならこのお約束をどう見せてくれるかを期待し、そして見事な作品を見せていただいた。不安を煽る雰囲気といい、作品に釘付けにしてくれる手順といい、関わる人々の描写も、特に主人公を守ろうとする心に光を感じた。




2010年12月9日木曜日

電波の城 11巻(細野不二彦)

電波の城 11巻
(細野不二彦)
小学館 ビッグコミックス

すごーい。前巻の激しすぎるインパクトが、それがあっさり過去になってどんどんステージが移り変わって行く。大晦日の格闘番組は大成功となったが、本城律子の反撃ともいえる報道によって嵐が吹き荒れる。

ハジメ君の言う通り本城律子は正しいし、TVは力が大きすぎるから不正や膿みも産んでいる。ただ関わっている人多いだけに糾弾によって一所懸命な人までも飲み込まれてしまう。子供は健気でかわいそうだな。

登場人物がみんなそれぞれに戦っていて、その戦う相手は巨悪とかではなく自分がその世界で生き残るための戦い、というところで迫力のあるドラマを作っている作者の手腕がすごい。

今回仁科さんがちょっとかわいく見えたシーンがあった。



2010年12月8日水曜日

死者のあやまち(クリスティ)


死者のあやまち

(アガサ・クリスティー/田村隆一 訳)
ハヤカワ文庫

ある屋敷の広い敷地を使って開催されたお祭り、そのイベントのひとつに殺人の犯人探しのゲームがあったのだが、そこでゲームではなく本物の殺人事件が起きてしまう。このゲームの企画をしたオリヴァ夫人に頼まれてエルキュール・ポアロも前日からこの屋敷に来ていた。

オリヴァ夫人って面白い。最初のポアロを電話で呼び出す場面などいかにもな感じで笑える。内容も真相も舞台装置もよくて楽しめた。ちょっと登場人物を覚えるのに骨だったけど。




2010年12月4日土曜日

ロスコー・ライリー 4巻

Roscoe Riley Rules
#4 Never Swim in Applesauce
(Katherine Applegate)

YL 2くらい
W5812

クラスの遠足でりんご農園とそこのアップルソース工場の見学に行ったロスコーたち。アップルソースっていってもジャムに近いものなのかな?一番の大騒ぎはタイトルの通り。さらっと読めて楽しかった。農園や工場の様子が丁寧に説明されてるし、小学校の遠足のこともわかりやすい、というか先生の発表のときのロスコーの様子には笑っちゃった。

読むのには易しいけど文章にちょっと手こずるとこがあるかな。ロスコーの語りなので話し言葉だとこういう感じなのか、ちょっとひねっているのか。面白く楽しめる書き方になっているんだろうね。最初の方にはいつも、ストーリーを始める前に知っておくべきこと、って書かれているのが謎掛けみたいで凝ってる。