2011年1月21日金曜日

トキオ(東野圭吾)

息子の時生が病でまさに死を迎えようとしている時、父親の拓実は若い頃に出会った青年、トキオのことを妻に語りだす。

親と子の人間ドラマとしては感動的だった。トキオとの出会いが拓実の人生を大きく変えることとなった流れもいい。最後の拓実の一言が全体をピシって締めてさすがだと思った。

でもあっちこっち気になってイマイチに思った。ピンチの時に肩すかしする、受け売りの言葉を使ってうまいことやってしまう、今までトキオのことをほとんど思い出すことがなかった、などご都合主義的な所が多い。被害を食い止めたことについて実際にあった大事故を取り扱って欲しくはなかった。「タイムパラドックス」なんて単語を使ったりせずそこは観念的なものだけにしてほしかった。