2011年9月18日日曜日

ダークゾーン

ダークゾーン
(貴志祐介)祥伝社

気がつくと異常な戦い場にいて、訳の分からないまま戦闘が始まる。主人公塚田は「赤の王将(キング)」として17名を率い、青軍と戦わなければならない。

戦闘の合間に塚田のもといた普通の世界のストーリーが挟まれて、二つの話が同時進行していく。

ダークゾーンの戦いは将棋を模してはいるが、舞台は軍艦島で登場キャラ(異形ではあるが塚田の知人たち)は「一つ目(キュクロプス)」とか「火蜥蜴(サラマンドラ)」、「皮翼猿(レムール)」等々、派手である意味華やか。そして戦闘、これが非常に戦略的で、そのためか読むのにすごく疲れて時間がかかった。それでいて面白くて読み出すと目が離せない。キャラクターが太字で書いてあるので読む手助けになっている。

もとの世界で起こった事件の真相の一部が隠されてはいるけど、読みながら時々出てくる違和感で、多分こうであろうということを感じる。

テクニカルで読み応え満点でそして哀しい。すごい作品だった。

それとプロの将棋の世界ってなんて厳しくキツいものなのか驚かされた。常に戦いに心がさらされて。