(アガサ・クリスティー/田村隆一 訳)
ハヤカワ文庫
崖から落ちた男が死ぬ前に言い残した言葉がタイトルの「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」。男の胸ポケットには美しい女性の写真があった。男の死は事故とされ持っていた写真から身元も判明する。
だが男の死に一人立ち会っていた青年ボビイの身に危険が迫る。ボビイと幼なじみで貴族令嬢のフランキーの二人は男の死が事故ではないと確信し、この事件の謎を追う。
手がかりは少なく二人の冒険を楽しむストーリーとなっている。とはいえ、最後の方でフランキーが言っていた犯人がボロを出した部分は見過ごしていた。「あー、そういえば」って。
危機的状況でもどことなく呑気な感じの二人。フランキーの明るい性格のせいだろう。「茶色の服の男」でもそうだったけど、クリスティーのサスペンス系の女主人公は、実際にはかなり危ない橋を渡っていても悲壮感が全くなく元気で前向き、なので楽しく読んでいける。
楽しく軽く読めて、印象にはやや残りにくいのかも。前にこの作品多分読んだことがあるはずなんだよね。違う出版社かも知れないけど。胸ポケットにあった女性の写真が表紙にあった覚えがある。でも読んでても全く初読と一緒できれいさっぱりわすれてる。おかげで楽しめたけど。
この本、オーディオブックの予習にとの読書。オーディオブックは難しかった。先に読んでからなので聴く真剣味も足りなかったかな。
Why Didn’t They Ask Evans? (7時間15分)
クリスティーのオーディオブックハロウィーン・パーティーが最近追加されてた。これでオーディブルやiTSで買えるUnabridged版のクリスティー作品は以下の8つになった(ドラマ版は多数)。
- The Mysterious Affair at Styles
- The Secret Adversary
- Partners in Crime
- Five Little Pigs
- Sparkling Cyanide
- The Man in the Brown Suit
- Why Didn't They Ask Evans?
- Hallowe'en Party