2011年2月10日木曜日

ダイイング・アイ(東野圭吾)

主人公慎介は殺されかけたことによって記憶の一部を失ってしまう。彼は1年半前に交通死亡事故を起こし執行猶予中の身だった。その大事の記憶を欠落し事故の加害者意識を持てない。周囲の人々は事故のことは気にしないように勧めるのだが慎介は彼らの態度に不審を抱く。

今日に続く日をいきなり奪われ死んでしまう者の、激しい憎しみの怨念を見事に描いた作品。それに対する恐怖も。オカルトになりそうなぎりぎりのラインで巧みに見せてくれた。ラストもショッキングだった。また憎しみに「魅入られた」者が哀れでもある。