2011年2月12日土曜日

密室の鍵貸します(東川篤哉)

『長編推理小説』だが、あーはは。すごく楽しかった。主人公の狼狽のあまりの間抜けた行動とか、刑事も探偵もなんか頼りない。テンポの良い語り口でサクサク。不必要な描写が(言い訳しながら)バサバサと省かれてたりして漫画を読むようなスピード感で楽しめた。最後の方に出た、謎だった動機がまた気が利いてるというか笑えた。

主人公は大学生で、殺人事件に巻き込まれ、事態をややこしくする以外には事件解決にほとんど貢献していないんだが、頼りない人の名推理に助けられた形。運よくと言うかアッサリというか…でもトリックが鍵なので軽快でよかった。それにこのトリックがかなり凝ってる。主人公ごくごく一般人だから酷い目に遭わなくてよかった…かな、読み終わってみればもうちょっと能天気さに活を入れてやればいいのに、とも思ったりして。