(ロバート・A・ハインライン/小尾芙佐 訳)
早川書房
この猛暑にこのタイトルの本、でも装丁は涼しげでさわやかなイメージで、内容も、主人公ダンの活動は熱いものの自分を冷静に述べていてクールでどことなく遠い目な感じ。
知らなかったんだけど超有名なSF小説だとか。コールドスリープによって30年後の世界へ。でもそんな言葉から予想されるような話じゃない。
もちろん時代のギャップに苦労する場面はあるんだけどそんなことはささいなこと。コールドスリープ前の主人公の危機的状況や、目覚めた後の右も左もわからず途方に暮れた状態から足場を固めていく様子など、詳しく具体的で、読書中の一体感はなかなかのもの。ダンの発明(開発というべき?)も魅せる中身だから楽しい。
読み始めたら面白すぎてすぐ読み切った。先がどんなことになるのか、あのことはどうなったのか、30年前のキャラたちはどうしてるのか、気になってしょうがなくてハマる。
帯に『猫を愛するすべてのひとたちに − 本誌謝辞より』とある。猫はあんまりというよりどちらかと言えば嫌いな方ではあるがとても楽しめた。途中から愛すべき猫のピートが登場しなくなるのでどうなったのかハラハラしてた。